気になる本

以前、図書館で出会った本。「縄文人がなかなか稲作を始めない件」

縄文時代って、歴史でちょっと習ったくらいであまり興味なかった。狩猟して、土器作って。なんか期間は長かったかな。そんな程度の知識。

読みやすそうな雰囲気があったから手に取ってみたんだけど、これがけっこうおもしろい。

そもそも縄文時代って一万年以上続いた時代。平安時代も江戸時代も比べものにならないぜ。しかも世界じゃ高度な文明も発生している時に、なんとまあ緩々と平和が保たれていたこと!

理由としては、地球が温暖だったこと。それまでの氷河期が終わり、海面上昇して動植物の生態系が変わって、食物が豊富だったこと。やっぱり暖かくて、ものが豊富だと争いごとは起こらないんですねぇ。

山へ行けば山菜、きのこ、木の実があり、海へ行けば貝や魚が取れる。植物がお休みしてしまう冬は獣を狩る。皆で協力して分け合う。そのためのコミュニティ。

でもこれって、世界的にみると珍しいことらしい。西アジアでは、農耕や牧畜のために定住が始まるんだけど、縄文人はそんなことはしていない。そんな手のかかることをする必要がないくらい、食べ物は豊富だったのだ。皆で協力して手に入れて、それを皆で分け合う。体が不自由で動けなかったであろう人にも食べ物を分け与えていたらしい。なんてやさしい世界。

また、縄文文化はなかなかの美的センスがある。このセンスは、暇だから磨かれたんじゃなかろうかという。

煮炊きするための土器。そこに華美な装飾なんていらないじゃん、普通。持ちやすくするんならまだわかるけど、なんだろうねえ、私が作ったものなのよって示したいのか、こうしたらかっこいいじゃんって付け足したらそうなっちゃったのか、いづれにしても、暇でなければやらない発想。で、なかなか芸術的。

髪型もまたしかり。土偶などから推測される女性の髪形は、現代の美容師さんでも難しいらしい。イヤリングやネックレスなどの装飾品だって、無くても生活には困らないけど、オシャレしたかったんでしょう、けっこう凝った作りになっている。ま、儀式やお祭りも行われていたようなので、それにも必要だったんだろうけど。

今よりも、心豊かで恵まれた時代だったのかなぁ。

わざわざ稲を育てる必要はなかった時代。

まだまだ解明されていないことが多いんだけど、骨折したり、癌に侵されたり、虫歯に悩ませられたり、現代人とたいして変わらないところもあるようで、なんだか親近感を覚えちゃった。

もっと知りたい。

今度帰省したら、三内丸山遺跡に行こう。

なんせ、近所だもんで。

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